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【高校生・高専生用】単振動の考え方 (2)


さて、前回【高校生・高専生用】単振動の考え方 (1)の続きだ。

前回の簡単なおさらい + \( \alpha \)

前回やったのは、
$$ m \frac{d^{2}x}{dt^{2}} = \ – kx$$
と書かれた方程式を見れば、\( \omega = \sqrt{ \frac{k}{m} } \)とおいて、
\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x (t) & = A \sin{( \omega t + B)} \\
x (t) & = A’ \cos{ ( \omega t + B’)} \\
x (t) & = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
のいずれもが一般解になるという話をした。それの妥当性を確かめよう。

\begin{eqnarray}
x (t) & = & A \sin{(\omega t + B)} \\
& = & A \sin{\Bigl( (\omega t + B + \frac{\pi}{2} ) – \frac{\pi}{2} \Bigr) } \\
& = &
& = & \ – A \cos{(\omega t + B + \frac{\pi}{2})} \\
& = & A’ \cos{(\omega t + B’)}
\end{eqnarray}
となる。ただし3式目への変形には三角関数の加法定理を用いており、最後は\( A’ = \ – A, B’ = B + \frac{\pi}{2} \)と定義して定数を置き直した。また、

\begin{eqnarray}
x (t) & = & A \sin{(\omega t + B)} \\
& = & A \sin{\omega t} \cos{B} + A \cos{\omega t} \sin{B} \\
& = & A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{eqnarray}
となる。ただし2式目の変形には同様に三角関数の加法定理を用い、最後は\( A” = A \cos{B}, B” = A \sin{B} \)と定義して置き直した。このことから、定数の不定性があるため、ひとまず一般解は3つの式:

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x (t) & = A \sin{( \omega t + B)} \\
x (t) & = A’ \cos{ ( \omega t + B’)} \\
x (t) & = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

のいずれかを使えば良いことが分かる。では、どれを使えば良いのかという疑問が生じると思うので、それは次回以降の記事も含め示していくことにしよう。

一般解の意味

一般解は単振動の方程式に対するあらゆる解を含んでいるため、定数2つを含んだままでは何か一つの解を表しているわけではない。では、それをどのように決定するのか。それは初期条件を与えることによってである。具体例を通しながら見て行くことにする。

初期条件その1

\( t =0 \)において\( x = x_{0} \), \( v = 0 \)の場合。これは\( x = x_{0} \)において物体をゆっくりと初速を与えずに離した状態に相当する。

今回は\( x(t) = A’ \cos{(\omega t + B’ )} \)を使ってみる。両辺を時間で微分すると、
$$ v(t) = \frac{dx(t)}{dt} = \ – A’ \omega \sin{(\omega t + B’)} $$
となる。\( x(t), v(t) \)の式それぞれにおいて\( t = 0 \)とおくと、

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x(0) & = A’ \cos{B’} = x_{0} \\
v(0) & = \ – A’ \omega \sin{B’} = 0
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
となる。二つ目の式から\( B’ = n \pi \) (ただし\( n \)は任意の整数)と分かるが、実はこれは\( n \)をどの値にしても同じ結果になる(気になる読者は色々な\( n \)の値を入れて以降の計算を繰り返してみると良い)。なので、ここでは\( n = 0\)とおく、つまり、\( B’ = 0\)である。すると一つ目の式から直ちに\( A’ = x_{0} \)が導ける。よってまとめると、

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x(t) & = x_{0} \cos{\omega t} \\
v(t) & = -x_{0} \omega \sin{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
となる。

読者の宿題

上記の問題を、

(1) \( x(t) = A \sin{(\omega t + B)} \)
(2) \( x(t) = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t} \)

を採用して同様に解け。

【告知】2017年8月26日第三回異分野交流会開催

異分野交流会の趣旨などをご存知でない方はこちら「異分野交流会とは」をご覧ください。

 

イベント詳細

  1. 日程:2017年8月26日(土) 19:00-21:00
  2. 講演内容:量子情報理論入門
  3. 講演者:山口幸司(東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 素粒子・宇宙理論グループ)
  4. 場所:仙台市青葉区中央2-10-1 勝山ビルディング4階 仙台物理実験塾PeX(エレベーター降りて右奥)(アクセス詳細はこちら
  5. 参加費:1500円(飲食代・食事代込)
  6. 持ち物:①お酒を飲む方は身分証明書 ②参加費

 

参加方法

以下の方法の中からお好きなものを選んで参加したい旨を伝えてくださいませ。

  • TEL : 080-1326-4299 に電話して参加の旨を伝える。
  • e-mail : door.to.physics@gmail.com にメールをして参加の旨を伝える。
  • Twitter : @sendai_pex に参加の旨を伝える。
  • connpass(後作成)にて参加登録をする。

伝えていただきたい情報は、①氏名 ②お酒を飲むか否か になります。

異分野交流会とは

目的は?

名前そのままの意味で、「自分のやっていることとは異なる分野の人と交流をしよう」という目的でやっているイベントです。

特徴として、あまり堅すぎるイベントとなるのを避けるために「参加者がお酒を飲んだり、食事をしたりしながら行う」ということがあります。講演者含む参加者全員がリラックスして、講演中に気軽に質問したりできるようなアットホームな場所づくりを目指しています。

 

場所や日程は?

場所は【仙台物理実験塾PeX】です。参加者があまりに多くなった場合は別の場所のこともございます。

おおよそ月1回の頻度で開催しております。

 

こんな人にオススメ

・異なる分野の話を聞いてみたい人
・これから進む分野について迷っている人
・研究者同士の繋がりを増やしてみたい人
・研究者ではなくても純粋に科学に興味がある人

等ありますが、上記に当てはまらないからといって制限をすることはありません。誰でもウェルカムです。(もちろん、お酒は20歳を超えている人にしか提供しません。)

 

開催履歴・これからの開催予定

下に行くほど新しいものになります。講演内容と講演者についての情報を記しています。

1.「第一回異分野交流会

・(物理)「物理学とは何か」
北山慎之介(東北大学 物性理論研究室所属)

・(地学)「地学分野の紹介と地球内部物質に関する研究」
久野直毅 (東北大学 量子ビーム地球科学研究室所属)

・(生物)「The Brain Research through Biology」
吉野倫太郎(東北大学 システム神経科学分野所属)

・(化学)「有機化学と有機ケイ素化学」
藤枝謙太郎(東北大学 合成・構造有機化学研究室所属)

・(数学)「素数が2つの平方数の話で書けるのはいつか」
村上友哉 (東北大学 山内研究室所属)

2.「第二回異分野交流会

(物理)「密度非対称磁気リコネクションのMHDシミュレーション」
日野太陽 (東北大学 理学部宇宙地球物理学科 惑星プラズマ・大気研究センター所属)

3.「第三回異分野交流会」(2017年8月26日開催)

(物理)「量子情報理論入門」
山口幸司 (東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 素粒子・宇宙理論グループ)

物理学のはじまり 地球はどれくらいの速さで回転しているのか

今回の記事はまとめると長くなってしまうので、皆さんがサクサクと量的に無理なく読んでいけるように分割していきたいと思います。流れとしては以下のような感じになります。

①皆さんの常識から考えられる疑問を提示する(今回の記事のメインポイント

②当時の歴史的背景を提示する

③そのような背景のもとガリレイらがどのような考えをしたのか提示する


①皆さんの常識から考えられる疑問

ものは支えるものがなければ落ちます。これは地球に生まれた我々の誰もが日常的に実感することです。そして、一般常識として「地球が回転したり、太陽の周りを回っていること」を皆さんご存知でしょう。そこで簡単な計算を用いて地球がどれくらいの速さで回っているのか見積もってみましょう。

仮定される知識:地球は一周40000kmである。

上のことを一旦そうなんだと受け入れていただき、以下の手順をとって計算してみます。

  1. 地球は1日に1回転する
  2. つまり、24時間で360度回転する
  3. (赤道では)24時間で40000kmほど回る
  4. 1時間では約1667km(=1667000 m)ほど動く
  5. 1秒では約463 m動く

ということになります。これを身近な例でとって考えますと、

  • 42.195kmのフルマラソンは約91秒で走り終える
  • 新幹線は一番速いものでも1秒で88mしか進めない(参考
  • 旅客機最大速度で1秒で286mしか進めない(参考

なんとなく、いかに地球が恐ろしい速さで動いているということが実感できるでしょう。ここから次のようなことも考えられてしまうのではないでしょうか。

ジャンプしたら、ワープするように別の地点に飛び移れるのではないか?

でも日常的にどう考えてもこれが叶わないことは誰にでも明白です。誰かがジャンプした途端にどこかに飛ばされてしまったらたまったもんじゃないですね。

かといって、どうして上のワープができないのか・・・などと考え始めるととても難しいことだと思わないでしょうか。

このようなことにも説明がつかないですし、まさか地球が回っているなどということは大部分の人たちは考えもしなかったわけです。(①終わり)


 

内容としては読者に問題を提起した感じなります。不完全燃焼となる方もいるかと思いますが、とても直感的に色々考えを巡らすこともできますし、色々考えていただけたらと思い、一旦ここで記事を切り、次回以降にまた更新して考えを深めていけたらと思います。

物理学のはじまり 天才ガリレイの登場

前回はケプラーに焦点を当てて話をさせていただきました。今回はその後物理学を引きつないでいったかの有名な「ガリレオ・ガリレイ」に焦点を当てることにします。


1:振り子の周期が変わらない事に気がついたガリレイ

フィレンツェにて生を受けたガリレイは、親に医者になるよう勧められて育てられた。親は数学が好きだったらしいが、お金が儲かるからという理由で医者になるよう言われたようである。

しかしガリレイは医者の仕事よりも物理的なものに興味があった。ある時寺院の天井に吊るされている燭台が、ろうそくに火をつけるために動かされ揺れているところを彼は眺めていた。次第にろうそくの揺れ幅は小さくなっていくが、彼はその一往復の周期は全く変化していないことに気がついたのです。

これは非常に不思議なことですよね。図解してみました。図1をご覧になってください。

図1:ガリレイが見た振り子のようす

ガリレイはこのようなものを見ていたのでしょう。彼は自分の心臓の脈を用いてこの時間をなるべく正確に測ろうとしたところ、ほぼ同じ時間ということに気がつきました。(図1で言えばT=T’ということです!!

さらに驚くべきなのは、この振り子の周期は、振り子の先についている物体の重さにも全くよらずに一定であるということです。

彼は逆にこのことを利用して「振り子を脈を測る道具として利用する事」に応用しました。それは「脈拍計」として用いられ、医学への大きな貢献になったのです。

しかし、彼の医学に対する貢献はこれで最後。その後は物理学に対して打ち込んで行く事になります。


2:落ちるのにかかる時間は重さにはよらない

彼は振り子の運動が重力による落下運動の特殊な場合であること、また、振り子の周期が全くをもって運動している物体の重さに依存しないことから、仮に重い物体と軽い物体を同じ高さから落下させたとしたら、同時に着地することを予想した

これは「ピサの斜塔からガリレイが重い物体と軽い物体とを同時に手から離して落下させて実験」(図2)として有名になっていますが、歴史学に関する研究によればこれは実際には行われておらず、話が大きく噂になってしまっただけのようです。

図2:ピサの斜塔からの落下の実験

何れにしても彼は自分の家では繰り返しこのような類いの実験を行い、上の仮説を実証したでしょう。

しかしこれは当時当然の知識として受け入れられていた「アリストテレス哲学」の考えと矛盾しています。重いものほど早く落ちる。これは我々の直感にもなんとなく合っています。羽と鉄球を同時に落としたら、鉄球の方が落ちるのが早いですよね?


3:落下の法則の発見

ガリレイはものが落ちることに関する数学的法則を見つけ出そうとした。しかし、ものが落ちるスピードはそれを研究する際にはあまりにも速すぎた。

そこで、彼は斜面にものを転がすことで、重力による落下のスピードを「弱める」ことにした。その落下にかかる時間の測定に、彼は「水時計」を使って克服しました。これは「水の量によって時間を計る」時計です。

例えば一秒に100mLの水が出てくる水道が目の前にあるとして、実験を行って水時計で時間を測った結果、500mLの水が出てきたとすれば?それはもちろん、5秒の時間を要したということがわかるわけです。このようにして、出てきた水の量から逆算して時間を計算してやろう、という考えなわけです。

それにより、彼はこの実験から何を発見したか・・・

物体を斜面に転がし始めた時から同じ時間が経過するごとに、物体が斜面を転がる距離は1:3:5:7:9:11:…と変化した。

これはとても奇妙なことです。しかし、美しいですね。どうしてこんな綺麗な関係性が見られるのか。ある意味恐ろしいかもしれません。上の文章を図解してみると図3のようになります。

図3:斜面における落体の実験のようす

皆さんも実験を頭の中で想像してみれば、同じ時間が経過するごとに距離がだんだん伸びていくことを実感できるとは思いますが、それがこのような綺麗な整数の比であると考えるに至るのは大変なことですよね。

さて、彼はさらに考えを進め、スタート地点からの距離はどうなっているのかということについても考えてみた。これを図にしてみたのが図4です。

図4:スタート地点からの距離

さて、何かお気づきでしょうか。それは1,4,9,16…という数字が平方数であることです。

そこで彼は次のようにこの実験結果を一般化し、法則としました。

落下の法則:物体が落下の際移動する距離は、時間の二乗に比例する。

とても鋭い洞察力ですよね。彼はこの実験の際に現在の積分の元とも取れるような考察を行っています(こちらでは紹介いたしません)。

さて今日はここまでしましょう。次回はこの落下の法則を応用した面白い例を紹介したいと思います。

参考文献:ガモフ,ジョージ(1962)『ガモフ全集・第10巻:物理の伝記』pp.64-71,鎮目恭夫訳,白揚社

物理学とは

物理学とはなんでしょうか??辞書にはこんなことが書いてあります。

物質の構造・性質を明らかにし、それによる自然現象の普遍的な法則を研究する自然科学の一部門。運動・熱・光・電磁気・音などの諸現象をはじめ、素粒子・核・宇宙線・量子エレクトロニクスなど対象は広く、精密な実験によって量的な把握を行い、数学を応用して表すことに特徴がある。(デジタル大辞泉出典)

つまり、「事」を「解しよう」とすることですよね。私たちの身の回りには不思議なことがたくさんあります。「なぜ、物は落ちるのか。」「なぜ、地球は太陽の周りを回っているのか」などなど。人類は古くからこのような疑問について真剣に考えてきました。物理学の根底の一つをなす運動学の起源は天文学であると考えられています。この歴史的な経緯についてはまた別の記事にて触れることにしましょう。

とにもかくにも、物理とは、「身の回りのことを理解しようとする学問」であるわけです。では、この「理解する」とはもっと具体的にどういうことなのでしょうか。先に結論を述べましょう。現在の物理学においては、「身の回りのことを理解すること」とは、「①実験によって確立された最小限の法則と②数学によって③自然を記述すること」です。これは、実は冒頭に述べた辞書の通りですね。こういわれてもなんとなくわかったような・・・という感じの方もいらっしゃると思うので、できる限りかみ砕いて説明したいと思います。


①実験によって確立された最小限の法則

「最小限の」というのはその名のとおり、「最も数が少ない」という意味です。「法則」は規則のようなものと考えればよいでしょう。校則、法律、そのようなイメージです。

「実験によって確立された」というのは、「数値などを定量的に(=量的に)測る方法により、証明された」という意味です。(「証明」という意味は数学における証明とは意味合いが違います。ここら辺の話も混み合いますので別の機会にしたいと思います。)物理学における証明の意味をこちらで説明します。例えば、物が落ちることを私たちは経験的に知っていますが、ものによってゆっくり落ちたり、はやく落ちたりすることも経験的に知っています。そこに洞察力のある少年がいて、ものによって落ちる速度が変わるのは「空気があるからだ」という考えを立て、「空気がないところで落下させれば同じように落ちるはずだ」と考えたとしましょう。実際、この実験をするとそのような少年の仮説が正しかったといえることがわかるのです!この瞬間、(数値の測定はこの場合ありませんが)少年の仮説は一つの法則になるのです。

「どんな物体も、空気がないところでは全く同じように落下する。」

これだけでもかなり不思議なことですよね。でも、ここで新たな疑問がわきます。なぜ?上のような法則が成り立つのでしょうか?これに答えるのは並大抵のことではありません。もし物理を知らない方がこの文章を読めば、「いや、そうなるから・・・としか。」と答える方もいらっしゃるかもしれません。でも、それを追究し、一番根源となる法則を導こうとするのが物理学者です。

 

②数学によって

数学とは何か、ということから説明しなければこれにきちんと答えることはできませんが、簡単にイメージするなら「計算」を思い浮かべてくだされば十分です。つまり、「数学によって」=「計算によって」です(数学の方に怒られてしまうとは思いますが、ざっくりとした話ですのでご了承ください)。

 

③自然を記述すること

自然とは「私たちの身の回りに起こるあらゆる現象」と考えてくだされば大丈夫です。「音が耳によって聞こえること」「光によって物が見えること」「熱」「地球は太陽の周りを回っている」「物は落ちる」などなど、あげればキリがないわけですね。

 

さてまとめてみましょう!物理学とは、、、

数値などを定量的に測る方法(=実験)により証明された最小限の法則と、計算(=数学)によって私たちの身の回りに起こるあらゆる現象を記述すること。

です!ここで重要なのは、法則を正しいと認めるためには必ず実験をしなければならないことです。もっといえば、実験によってその法則とやらとそぐわない結果がどうしても出てきてしまった場合、その法則は改良が必要もしくは破棄されることになってしまいます。実はここが数学とはずいぶん異なる性質をもつところなのです。そこも面白いのですが、長くなりそうなので初めての記事はここまでとしておきます。

今回は「物理学とは」ということに対して一定の答えを出しました。次回は、「物理学と数学の違い」について書きたいと思います。