2018年11月13日 模試の解説1

電磁誘導の法則の解説中

さて、この日はネットで授業を受けている遠隔の生徒さんでした。センター模試を最近受けていたので、そちらの解説をざーっと全て行いました。

やはり、模試の解説は生徒にとってはとてもプラス効果です。まず、受験生はセンター模試でミスしたという印象を引きずります。それは自信喪失などにつながりますが、復習にも手間がかかりますし、自分の誤解を修正するのはなかなか骨が折れるものです。もちろん、大学に進学した場合はそのような修正能力は必須となりますが、全ての受験生にそこまで求めるというのは酷なものです。それの解説により完全な理解、自分の知識の修正、それが完了すると、自分は「もうこの模試で満点が取れる」という自負が得られ、苦手な意識を克服します。これの繰り返しは非常に重要ですが、なかなかできないものです。

もうセンター試験は間近ですが、まだまだ伸びます。私も含めて、尽力していきたいところです。

2018年11月12日講義 コンデンサー

コンデンサーの問題の考え方

本日も前日に引き続きまして同じ生徒さん。今日は気分を変えて某カフェにて黒板はありませんが講義をさせてもらいました。

コンデンサー、実は昔現役生の時はまったくできなくて本当に苦手でした。

いや、まずコンデンサーってなんやねん。って感じでした。「導体を向かい合わせたもの」と習いますが、まずそれでどうして電気を蓄えることができるか謎でしたし、実際に実験でコンデンサーを見てみると、

https://www.marutsu.co.jp/GoodsListNavi.jsp?path=160004

こちらのように、導体を平面に組み合わせてる感が全くなくて、混乱。電磁気学は力学と違って最初はイメージがつきにくいので難しいですね。

それが一挙に解決したのが浪人生の時で、「無限に広い平面に電荷が一様に分布している」場合、その平面がつくる電場が理想的にはどれだけ離れていても一定で面から飛び出す方向に電場が存在します。(もちろん負電荷が分布している場合は吸い込む方向です)これを有限の面積S(十分広いとして)問題を進めていくのが高校物理のコンデンサー。こういう認識がないと、全く理解不能です。

ただ、一般にはとりあえず向かい側と逆符号の電荷が蓄えられるんだ…とか、間の電場は一定なんだ…とか、V=Edなんだ…とか。そういうところが断片的に教えられてしまうので、???となってしまうと、死にます。私は死にました。

今日の生徒さんには少し難しめに、ちゃんと物理したコンデンサーの概念を教えて問題にあたったところ、きちんといい反応が得られました。これだ、これだ、物理はこんなにシンプルなんだよ…。

そういうことが教えられた1日でした。

2018年11月11日講義 コンデンサーの基礎・オシロスコープの読み方・半導体の基礎

無限に広い平面に一様に分布する電荷がつくる電場

講義がほぼ毎日あるので、そちらを記録しないのは勿体無いと思い、情報発信の意味も込めて簡単にまとめていきたいと思います。

最初の画像はこの日の授業で扱った問題の一部です。高校生の物理で、コンデンサーの基礎となるところをやりました。普通は高校生には教えられませんが、非常に重要なところなので取り扱っています。

 

半導体の説明やオシロスコープの読み方の説明

こちらの画像は、オンラインで講義させていただいている社会人の学生の方で、なかなか実験物理に馴染めないということで教えています。今回はオシロスコープを用いた実験を行ったようですが、オシロスコープの読み方などを画像付きで詳しく教えておりました。また、実験の予習として、次回は半導体素子を用いた実験であったため、その基礎部分の解説をしていきました。

やっぱり、実験物理はいいですね!

物理を深く学びたい方、物理が全然わからないが何とかしたい方、また物理に興味があるが何をしたらいいかわからない方、など、どんな方でも生徒として募集しています!ご連絡は問い合わせからどうぞ!相談だけでもお気軽に!

センター試験物理解説動画集

センター試験物理の解説動画を定期的にアップロードしています。
1-1は「第1問の問1」の略です。

 

 

 

2018年 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5
5-1 5-2 5-3
6-1 6-2
2017年 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5
5-1 5-2 5-3
6-1 6-2
2016年 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5
5-1 5-2 5-3
6-1 6-2
2015年 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5
5-1 5-2 5-3
6-1 6-2
2014年 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5
4-1 4-2 4-3 4-4 4-5
5-1 5-2 5-3
6-1 6-2

どうして人工衛星は回っていられるのか


人工衛星。私たちの生活の上で欠かせないものです。とはいっても、具体的にどのような役割をしているかご存知でしょうか。以下まず役割を解説してみましょう。

人工衛星の役割とは?

JAXA(http://www.jaxa.jp/projects/sat/)のページをみると、さまざまな人工衛星が活動中・開発中であることが見て取れると思います。

①天体を観測するため

地球以外の天体、たとえば太陽などを観測するためです。このような人工衛星を「天文観測衛星」と呼びます。天文観測衛星は宇宙空間に配置し、大気圏を避けています。なぜなら、太陽などからやってくる光(赤外線・紫外線・可視光線)は大気圏に存在する粒子に衝突することで吸収されてしまったり、散乱されること(弾かれるということ)で本来の情報を失ってしまうからです。太陽からの光をダイレクトにありのままに受け止めたいのであれば、宇宙空間に置く方が正確な測定ができるわけです。

【どうして大気圏外に置くべきか】

 

2018年7月9日現在上記JAXAのページによれば、太陽を観測する「ひので」、惑星を観測する「ひさき」、宇宙嵐とそれにより生成消滅を繰り返している高エネルギー電子の解明を試みる「あらせ」、地球の磁気圏を測定し太陽からのエネルギーの流れを読むための「GEOTAIL」などがあります。

 

②地球を観測するため

これがもっとも私たちに馴染みのある人工衛星でしょう。なぜなら、毎日ニュース番組などでみる天気予報における情報のもとは、「地球観測衛星」と呼ばれる人工衛星によるものだからです。地球観測衛星は主に二つの用途があり、一つはある地点の上空で動かないように配置することで気象情報などを得ようとする用途です。日本の上空には「ひまわり8号」が存在し、私たちに雲のうごきなどを伝えてくれています。もう一つは、より地球に近づいたような位置にすることで、地球の広域の詳細情報を掴もうとする用途です。

 

③通信・放送のため

スカパーJSAT(https://www.jsat.net/jp/satelliteCommunications.html)などの通信・放送サービスを行う民間企業が主に利用しています。放送データなどを、放送局から家庭毎に通信して渡して行くのはあまりに非効率です。スカパーはCMなどでもご存知の方が多いかと思いますが、放送番組です。放送局は放送データを一挙に保有している衛星にアップロードします。そして、そのデータをスカパーをご覧になるお客様方へ向けて、上空から一気に送信するのです。非常に効率的になります。

 

④測位のため

これも私たちが大変お世話になっている機能で、「測位衛星」と呼ばれます。いわゆるGPS (Global Positioning System)であり、Google Mapsで目的地を探すときや、カーナビで役に立っています
GPSとはそもそもアメリカが保有する衛星のことであり、携帯電話やカーナビにはGPSからの電波を受信できるようににするための「受信機」が搭載されています。だから、Google Mapsなどで私たちの位置を特定することができるのです。とても便利なGPSですが、先にも述べたようにアメリカが保有するもので、実は軍事目的のために作られたものです。したがって、何か世界的によくないことが起こったりした時は、アメリカは自分の衛星なのですから、自分たちの思うような使い方に絞り私たちが普段使うようなことに使えなくなる可能性があります。では日本も測位衛星を打ち上げればいいではないかと思うかもしれませんが、コストなどを考慮すると非常に維持するのに大変な代物で、なかなか手が出ないのです。なので、日本は基本的には外国の測位衛星に頼っています。アメリカの「GPS」以外では、ヨーロッパ諸国による「ガリレオ」、中国の「北斗」、ロシア連邦の「GLONASS」などがあります。

他にもいくつかの用途はありますが、主だって私たちの生活に影響するものは以上になります。

人工衛星はなぜ回っていられるのか

直感的な答えを述べましょう。私たちがキャッチボールをするとき、投げたボールは山なりを描いて落ちていきます。しかし、肩が良い人は真っ直ぐ、力強く投げることができるでしょう。とはいっても、野球選手ほどの肩でもボールはしっかり落ちていきます。では、それが人間にはできないほどの速さで投げれたとしたら、どうなるでしょうか。やはりどんなに速くても地球からの重力がありますから、ボールは落ちます。しかし、あまりにも速すぎて落ちるに落ちれない、そんな状況が生まれる気がしませんか?そして投げたボールは地球をぐるっと一周し、自分の頭の後ろにやってくる。一人キャッチボールができてしまうわけですね(笑)ちなみに、この速すぎる「速さ」のことを「第一宇宙速度」といいます。

【人工衛星が回る原理】

空気抵抗などを無視した簡単な計算によれば、第一宇宙速度はおよそ7.9[km/s]です。1秒に7.9km進むという速さです。42.195kmのフルマラソンをわずか6秒程度で終わらせてしまうほどの速さです。ありえません。ありえない速さです。よって、一人キャッチボールは無理です(笑)

冗談はさておき、直感的には人工衛星はこのような原理で地球の上空を回り続けています。落ち続けているのです。速すぎて落ちてこないだけなのです。

 

地球周回軌道について

人工衛星の役割によって分類するのはすでに書いた通りです。一方、別の捉え方で人工衛星を分類することもあります。それが、「地球をどのように回っているか」=「地球周回軌道」です。

①高いか低いか

とても分かりやすい分類です。地上からどれほどの高さにいるかということで分類をします。
低軌道は1000km以下、それ以上を中軌道、さらに36,000km以上を高軌道と呼びます。

 

②赤道面から軌道がどれだけ傾いているか

これを「軌道傾斜角」と呼びます。この定義から、0度以上90度以下の値で指定されることがわかるでしょう。

 

③地球にもっとも近づいた時の距離・遠ざかった時の距離

一般に二つの物体の間に及ぼしあう重力によって描かれる軌道は楕円軌道であり、円軌道とは限りません。楕円軌道のとき、必ず地球にもっとも近づいた瞬間と、遠ざかった瞬間が存在します。それぞれ、「近地点高度」、「遠地点高度」と呼びます。仮にも近地点高度=遠地点高度だった場合、それは楕円軌道の中でも特殊な円軌道というものになるわけです。たとえばハンマー投げをする選手がハンマーをもってぐるぐると回しているとき、そのハンマーの先端の球の軌道は、楕円でしょうか、もっといえば円でしょうか?

 

④どれくらいの時間をかけて地球を一周しているか

これを周期と呼びます。分かりやすい分け方ですね。

さて実際にJAXAのページ(http://www.jaxa.jp/projects/sat/slats/index_j.html)から地球観測衛星「つばめ」の情報を見てみましょう!

今回は軌道の高さで分類していますね。1,000km以下なので、これはいわゆる「低軌道」ということになるわけですね。

 
参考文献:谷口義明 (2013)『新天文学事典』講談社

【高校生・高専生用】単振動の考え方 (2)


さて、前回【高校生・高専生用】単振動の考え方 (1)の続きだ。

前回の簡単なおさらい + \( \alpha \)

前回やったのは、
$$ m \frac{d^{2}x}{dt^{2}} = \ – kx$$
と書かれた方程式を見れば、\( \omega = \sqrt{ \frac{k}{m} } \)とおいて、
\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x (t) & = A \sin{( \omega t + B)} \\
x (t) & = A’ \cos{ ( \omega t + B’)} \\
x (t) & = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
のいずれもが一般解になるという話をした。それの妥当性を確かめよう。

\begin{eqnarray}
x (t) & = & A \sin{(\omega t + B)} \\
& = & A \sin{\Bigl( (\omega t + B + \frac{\pi}{2} ) – \frac{\pi}{2} \Bigr) } \\
& = &
& = & \ – A \cos{(\omega t + B + \frac{\pi}{2})} \\
& = & A’ \cos{(\omega t + B’)}
\end{eqnarray}
となる。ただし3式目への変形には三角関数の加法定理を用いており、最後は\( A’ = \ – A, B’ = B + \frac{\pi}{2} \)と定義して定数を置き直した。また、

\begin{eqnarray}
x (t) & = & A \sin{(\omega t + B)} \\
& = & A \sin{\omega t} \cos{B} + A \cos{\omega t} \sin{B} \\
& = & A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{eqnarray}
となる。ただし2式目の変形には同様に三角関数の加法定理を用い、最後は\( A” = A \cos{B}, B” = A \sin{B} \)と定義して置き直した。このことから、定数の不定性があるため、ひとまず一般解は3つの式:

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x (t) & = A \sin{( \omega t + B)} \\
x (t) & = A’ \cos{ ( \omega t + B’)} \\
x (t) & = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

のいずれかを使えば良いことが分かる。では、どれを使えば良いのかという疑問が生じると思うので、それは次回以降の記事も含め示していくことにしよう。

一般解の意味

一般解は単振動の方程式に対するあらゆる解を含んでいるため、定数2つを含んだままでは何か一つの解を表しているわけではない。では、それをどのように決定するのか。それは初期条件を与えることによってである。具体例を通しながら見て行くことにする。

初期条件その1

\( t =0 \)において\( x = x_{0} \), \( v = 0 \)の場合。これは\( x = x_{0} \)において物体をゆっくりと初速を与えずに離した状態に相当する。

今回は\( x(t) = A’ \cos{(\omega t + B’ )} \)を使ってみる。両辺を時間で微分すると、
$$ v(t) = \frac{dx(t)}{dt} = \ – A’ \omega \sin{(\omega t + B’)} $$
となる。\( x(t), v(t) \)の式それぞれにおいて\( t = 0 \)とおくと、

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x(0) & = A’ \cos{B’} = x_{0} \\
v(0) & = \ – A’ \omega \sin{B’} = 0
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
となる。二つ目の式から\( B’ = n \pi \) (ただし\( n \)は任意の整数)と分かるが、実はこれは\( n \)をどの値にしても同じ結果になる(気になる読者は色々な\( n \)の値を入れて以降の計算を繰り返してみると良い)。なので、ここでは\( n = 0\)とおく、つまり、\( B’ = 0\)である。すると一つ目の式から直ちに\( A’ = x_{0} \)が導ける。よってまとめると、

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
x(t) & = x_{0} \cos{\omega t} \\
v(t) & = -x_{0} \omega \sin{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}
となる。

読者の宿題

上記の問題を、

(1) \( x(t) = A \sin{(\omega t + B)} \)
(2) \( x(t) = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t} \)

を採用して同様に解け。

【高校生・高専生用】単振動の考え方 (1)


単振動は難しいと感じたことはないだろうか。当時高校生の頃は単振動がまったくよく分からず、どうして周期は\( T = \frac{2 \pi}{\omega} \)になるのか。角振動数\( \omega \)って何なんだ…。など、テストで出たらお終いのようなレベルの理解度であった。私がそもそも勤勉家でないのも災いしているが(周りの人でできる人は少なからず居ましたからね)、その単振動に対する疑問が完全に氷解したのが浪人生の頃。この記事では、単振動に関する話をいくつか細切れにし、私がつまずきの段階から完全な理解に達したプロセスのようなものを伝えられたらと思う。

そもそも単振動とは何か

単振動は、ある物体の運動方程式が以下の形式で表される運動の総称である。

\begin{eqnarray}
m \frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – k x
\end{eqnarray}

ここで\( m \)は物体の質量(正の定数)、\( \frac{d^{2}x}{dt^{2}} \)は物体の加速度、\( k \)はばね定数(正の定数)、\( x \)は物体の位置( \( x \) 座標)を表している。この方程式(正確には微分方程式)で表される運動は、\( m \)や \( k \)がたとえどんな値であろうが単振動という運動に分類される。

運動を調べるとは運動方程式を解くこと

さて、単振動の運動方程式は\( m \frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – k x \)なのだが、この運動を実際に調べるには運動方程式を解かねばならない。そこが少し複雑なため、高校生や高専生の1, 2年生には扱いにくいのである。ここで紹介するのはその複雑な方なのだが、プロセスは複雑そうに見えても、これらの記事を乗り越えられれば単振動に対する見え方は明快になるであろう。

実際に運動方程式を解いてみる

ここでは数学の微分の知識が必要だ。微分がわからない人は(こちらの記事:後投稿)をまず参照して何となく理解してもらったらまたこちらに戻ると良い。このとき、必ず紙と鉛筆を持ってこの記事と共に一緒に計算を進めること。物理学は自分の頭で考え、計算を実際に手を動かしながら納得して行く学問である。ただ眺めて考えるのはやめにしよう。

\begin{eqnarray}
m \frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – k x
\end{eqnarray}

を変形すると、

\begin{eqnarray}
\frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – \omega^{2} x
\end{eqnarray}

とまとめることができる。ここで、

\begin{eqnarray}
\omega = \sqrt{ \frac{k}{m} }
\end{eqnarray}

と定義した。これをなぜ?と思う人も居られると思うが、後で説明が楽になるための方便に過ぎない。ひとまず騙されたと思って計算していこう。この方程式を言葉に直すと、

「物体の位置( \(x\)座標)を二回繰り返して\(t\)について微分すると、自身\(x\)にさらに(\( – \omega^{2}\))をかけたものが出てくる」

ということだ。不思議なものだ。ある量を2回も微分していると言うのに、また自分自身に似たようなものが出てくると言うのだから。実は、このような量(関数)は、高校生では3年生に扱う三角関数の微分を理解していれば直感的に分かる。数学定理:

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
\frac{d}{dt} & \sin{t} = \cos{t} \\
\frac{d}{dt} & \cos{t} = -\sin{t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

から、

\begin{eqnarray}
\frac{d^{2}}{dt^{2}} \sin{t} & = & \frac{d}{dt} \Bigl( \frac{d}{dt} \sin{t} \Bigr) \\
& = & \ – \sin{t}
\end{eqnarray}

となる。おや?これは何だか…

$$\frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – \omega^{2} x$$

の形に似ていないだろうか。この式で\( \ x(t) = \sin{t} \)とし、\( \omega^{2} = 1 \)とおいた式そのままだ。ここで次の数学公式(合成関数の微分法:後投稿)を使い、また一工夫してみる。

\begin{equation}
\left\{
\begin{aligned}
\frac{d}{dt} \sin{\omega t} & = \omega    \cos{\omega t} \\
\frac{d}{dt} \cos{\omega t} & = \ – \omega \sin{\omega t}
\end{aligned}
\right.
\end{equation}

であるから、

\begin{eqnarray}
\frac{d^{2}}{dt^{2}} \sin{\omega t} & = & \frac{d}{dt} \Bigl( \frac{d}{dt} \sin{t} \Bigr) \\
& = & \frac{d}{dt} \Bigl( \omega \cos{\omega t} \Bigr) \\
& = & – \omega^{2} \sin{\omega t}
\end{eqnarray}

と計算できる。なんとこれは、

$$\frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – \omega^{2} x$$

の形そのものだ。従って、この\( x(t) = \sin{\omega t} \)というものが求める答えになる気がする。これは正しいともいえるが、正確には「答えの一つ」である。なぜなら、例えば\( \ x(t) = 2 \sin{(\omega t + 1)}\)というものも、

\begin{eqnarray}
\frac{d^{2}}{dt^{2}} x(t) & = & \frac{d^{2}}{dt^{2}} \Bigl( 2\sin{(\omega t + 1 )} \Bigr) \\
& = & \frac{d}{dt} \Biggl( \frac{d}{dt} \Bigl( 2\sin{ (\omega t + 1)} \Bigr) \Biggr) \\
& = & \frac{d}{dt} \Bigl( 2\omega \cos{(\omega t + 1)} \Bigr) \\
& = & \ – 2\omega^{2} \sin{(\omega t + 1)} \\
& = & \ – \omega^{2} \Bigl( 2\sin{(\omega t + 1)} \Bigr) \\
& = & \ – \omega^{2} x(t)
\end{eqnarray}

となり、同様に単振動の方程式の位置\( x(t) \)を表すものとして適切だからである。実際、\( x(t) = A \sin{(\omega t + B)} \) の形で書かれているものは(\(A, B \)は時間に依存しない任意の定数)、\( \frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – \omega^{2} x \)を満たす(気になる人は上の式に\( x(t)=A \sin{(\omega t +B)} \)を代入してみよ)。これは一般解と呼ばれ、あらゆる単振動の運動を表現している。具体的に定数\( A, B \)を決めることで、単振動の中でもどのような単振動なのか(振幅が大きいだとか、初めは静止状態からスタートしたとか)が決められる。

従って、我々は、

$$\frac{d^{2} x}{dt^{2}} = \ – \omega^{2} x$$

の形の方程式を見たら、その解は一般的に、

$$ x(t) = A \sin{(\omega t + B)}$$

という形で表現されると思って良い。

単振動の一般解の表現の違い

これは補足であるが、上で求めた一般解、

$$ x(t) = A \sin{(\omega t + B)}$$

以外にも、

$$ x(t) = A’ \cos{(\omega t + B’)}$$

$$ x(t) = A” \sin{\omega t} + B” \cos{\omega t}$$

も一般解になることが証明できる。どれを使えば良いのかは、次の記事で具体的な例を交えながら紹介していきたいと思う。

【告知】2017年8月26日第三回異分野交流会開催

異分野交流会の趣旨などをご存知でない方はこちら「異分野交流会とは」をご覧ください。

 

イベント詳細

  1. 日程:2017年8月26日(土) 19:00-21:00
  2. 講演内容:量子情報理論入門
  3. 講演者:山口幸司(東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 素粒子・宇宙理論グループ)
  4. 場所:仙台市青葉区中央2-10-1 勝山ビルディング4階 仙台物理実験塾PeX(エレベーター降りて右奥)(アクセス詳細はこちら
  5. 参加費:1500円(飲食代・食事代込)
  6. 持ち物:①お酒を飲む方は身分証明書 ②参加費

 

参加方法

以下の方法の中からお好きなものを選んで参加したい旨を伝えてくださいませ。

  • TEL : 080-1326-4299 に電話して参加の旨を伝える。
  • e-mail : door.to.physics@gmail.com にメールをして参加の旨を伝える。
  • Twitter : @sendai_pex に参加の旨を伝える。
  • connpass(後作成)にて参加登録をする。

伝えていただきたい情報は、①氏名 ②お酒を飲むか否か になります。

異分野交流会とは

目的は?

名前そのままの意味で、「自分のやっていることとは異なる分野の人と交流をしよう」という目的でやっているイベントです。

特徴として、あまり堅すぎるイベントとなるのを避けるために「参加者がお酒を飲んだり、食事をしたりしながら行う」ということがあります。講演者含む参加者全員がリラックスして、講演中に気軽に質問したりできるようなアットホームな場所づくりを目指しています。

 

場所や日程は?

場所は【仙台物理実験塾PeX】です。参加者があまりに多くなった場合は別の場所のこともございます。

おおよそ月1回の頻度で開催しております。

 

こんな人にオススメ

・異なる分野の話を聞いてみたい人
・これから進む分野について迷っている人
・研究者同士の繋がりを増やしてみたい人
・研究者ではなくても純粋に科学に興味がある人

等ありますが、上記に当てはまらないからといって制限をすることはありません。誰でもウェルカムです。(もちろん、お酒は20歳を超えている人にしか提供しません。)

 

開催履歴・これからの開催予定

下に行くほど新しいものになります。講演内容と講演者についての情報を記しています。

1.「第一回異分野交流会

・(物理)「物理学とは何か」
北山慎之介(東北大学 物性理論研究室所属)

・(地学)「地学分野の紹介と地球内部物質に関する研究」
久野直毅 (東北大学 量子ビーム地球科学研究室所属)

・(生物)「The Brain Research through Biology」
吉野倫太郎(東北大学 システム神経科学分野所属)

・(化学)「有機化学と有機ケイ素化学」
藤枝謙太郎(東北大学 合成・構造有機化学研究室所属)

・(数学)「素数が2つの平方数の話で書けるのはいつか」
村上友哉 (東北大学 山内研究室所属)

2.「第二回異分野交流会

(物理)「密度非対称磁気リコネクションのMHDシミュレーション」
日野太陽 (東北大学 理学部宇宙地球物理学科 惑星プラズマ・大気研究センター所属)

3.「第三回異分野交流会」(2017年8月26日開催)

(物理)「量子情報理論入門」
山口幸司 (東北大学 大学院理学研究科 物理学専攻 素粒子・宇宙理論グループ)

第二回異分野研究交流会

※画像がみにくい方は以下のPDFファイルを参照ください

(イベント詳細のポスター:2_ibunya

 

 

6月29日に、主に社会人や大学生を対象として「自分とは異なる研究分野の話を聞いてみよう」という趣旨のイベントを開きます。

それも堅苦しくなく、お酒を飲んだり食べ物をつまんだりしながらやりましょうという感じです。

気になったらその場で即質問してもOK!科学的な知識がない初心者の方も大歓迎です。どんどんわからないことや気になったことを聞いてみよう!

参加方法や場所等の情報を以下にまとめておきます。

 

 

  • 発表者:日野太陽(東北大理学部物理学科4年)
  • 発表内容:密度非対称磁気リコネクションのMHDシミュレーション
  • 日程:6月29日(木)19:00-21:00
  • 場所:仙台物理実験塾PeX(仙台市青葉区中央2-10-1 勝山ビルディング4階→上記ポスターの地図参照!)
  • 参加費:1500円(飲食代込)

参加方法(4通りあります)

①https://connpass.com/event/60747/ にて申し込む。

②私の携帯電話に直接連絡する。080-1326-4299です。

③Twitterアカウント @sendai_pexに対してリプライやDMを送る。

④メールアドレスに連絡する。(door.to.physics at gmail.com→atをアットマークに)

 

 

参加者大募集です!お友達と一緒でもいいですし、気軽に参加してみてください!!