[解説・補足]三角比(その3)

この記事は、動画「三角比(その3)」3.定義:三角比の拡張で述べたことへの補足を行います。

※これらの動画の意義は、私が「高校物理をきちんと物理するために必要な数学」をまとめることです。仙台に高校物理・数学の塾を開いており、この動画の流れは私が実際に講義で行う授業の簡略版というようなものです。


1:定義の拡張について

さて、今回は今まで定義していた三角比なる量を拡張する講義になっています。

一番「基礎的な三角比」とは、動画「三角比(その1)」1.定義:三角比とは

にて扱いましたね。もし分からない方がいらっしゃれば、まずはそちらをご覧ください。

 

ここにおいては、三角比は「三角形の辺の」によって定義されていましたから、角度θは0°より大きく、90°より小さいものでした。(この意味が分からない方は、動画「三角比(その3)」3.定義:三角比の拡張の、0:30-1:20あたりを見てみると良いでしょう。)

 

これで確かに話を完結させてもいいのですが、数学はしばしば一般化や拡張を行おうとします。つまり、今回の話で言えば、角度θを90°より大きい角度に拡張してあげられないか?そのためにはどのようなルールを設けてあげればいいのか?というようなことを考えるのです。

 

実際、高校2年生でやることになる「三角関数」という分野においては、この三角比の定義をあらゆる角度(100000°であろうが、2000000°であろうが。しかもマイナスの角度-1000000°なども考えられるようにしてしまうのだ!!)に対して拡張することになります。

これは、初めて数学に触れる高校生にとってはよく分からない子も出てきてしまう分野かもしれません。今までは0°<θ<90°という範囲に限っていた気がするのに、いつの間にかどうしていろんな角度について扱えるようになってしまっているのか?

定義を拡張することに関する端的な答えはこのような感じ:

今までのルールに「追加ルール」を加えてみて、今までのルールを損なわないようにあれこれ工夫してみようとすること。

 

ですから、実は数学者も、「定義を拡張する」ときはおっかなびっくりなのです。「本当にこんな拡張の仕方でいいのかなあ・・・大丈夫かなぁ・・・」のように。そうとは知りませんよね??でもこれが普通なのです。数学者たちが「こういう風に拡張したらうまく今までのルールも損ねずにすむんじゃない?」というふうに、議論して新しい世界を開拓していくのです。

そして、私たちは幸いにも、いろいろな数学者が研究した「成果」に触れることができます。彼らに大感謝なわけです!!


2:今回の三角比の定義の拡張方法は…

もう動画「三角比(その3)」3.定義:三角比の拡張をご覧になった方はわかるかと思いますが、今回の三角比の定義の拡張方法は、

半円状の座標P(x.y)と、円の半径r

に焦点を当てています。これらx,y,rを用いて三角比を拡張し、0°以上180°以下のどんな角度についても扱えるようにしています。

これは新しい三角比の定義です。しかし、上にも述べたように、この新しいルール(定義)が、元のルールを損ねたらまずいわけです。(そのあたりの動画は動画「三角比(その3)」3.定義:三角比の拡張(05:32)をご覧になってください。)

ですが、実際動画でも述べたように、この新しい定義は、元の定義と一切矛盾しません!!

ですから、この新しい定義を元の定義の一つの自然な拡張として使うことにしてはみないか??というふうになったわけですね。

 

この辺りの数学の事情は知ってるようで知らない方も多いとは思います。実際私は大学に入って数学を学んでからいろいろ気づくこともありましたし、高校の先生が教えてくれるとも限りませんからね。


3:まとめ

:どうして三角比は0°より大きく90°より小さい角度に対してのものなのに、180°まで扱えるようになるの??

:「なんで」というよりは、「そうすると矛盾なく自然な拡張に見えるから、とりあえずそれ使ってみない??」という割とフランクな感じが答えになるかと思います。(笑)

 

(終)

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