物理学のはじまり その1

今日からは物理学の歴史について触れていきたいと思います。

まずは「物理学のはじまり」というタイトルで、何回か小分けにしつつ連載していきたいと考えています。基本的に毎日更新したいと考えています。また、物理学で用いる難しい用語については、筆者が覚えている限りではありますが、用語リンクをその都度つけ、読者が意味を確認できるようにしたいと考えています。
物理学が発展する源泉となったのは今日「古代ギリシア人」と呼ばれている人々であると考えられています。例えば、以下のように物理学の用語にギリシア語に由来するものが残っています。

  1. 磁気を意味する英語のmagnetism(マグネティズム)は、ギリシア人のマグネスという名前の羊飼いが持っていた鉄の石付きのついた杖が道端の石ころに引きつけられた事に驚いた事に由来すると言われています。
  2. 電気を意味する英語のelectricity(エレクトゥリスィティ)は、コハク(ギリシア語でエレクトロン)を羊の背中でこすって磨いていたら、そのコハクは小さな木片を引きつけるような力がある事に気がついた事に由来すると言われています。

これらは定性的な理解(量的に何かを理解したわけではなく、性質としておおよそを把握するという意味合い)にとどまっていますが、初めてそれを数学的に定式化しようとして記録に残っているのがピタゴラスの弦に関する実験結果です。
高校で倫理学を勉強した方は、ピタゴラスは「世界を支配するのは数である」と唱えた事を知っている人もいると思います。彼は弦が奏でる音についてある法則を見つけたのです。図1をご覧になってください。

図1:ギターの弦が揺れる様子の概念図(弦の長さの比が1:2)

イメージするのはギターの弦ですね。弦の下の方は固定されていますが、私たちはそれを弾く時に片方の手を使って弦の途中を指で抑え、音を変化させます。ピタゴラスは現代風にいえば二つのギターを用意し、「協和音」が出るのはどういう弦の長さの時なのかという事をつきつめようとしました。その結果「完全な協和音を与える弧長は単純な整数比をなさねばならない。」という法則を見出しました。

法則:「完全な協和音を与える弧長は単純な整数比をなさなければならない。」

★実演実験「ピタゴラスの弦の法則」

あまりに簡単な実験ではありますが、1:2の和音(1オクターブずれの和音。今回はファの音です。)と、2:3の和音(減5度音程。今回はシのフラットとファの音です。)について実際に動画に撮ってみましたので、ぜひご覧になってみてください。本当に測ってるのか?と思う方もいるかもしれません(笑)。そういう方はぜひきちんと測ってやってみてくださいね。

これは紀元前6世紀の中頃の話です。つまり、理論物理学(数学を用いて、自然の現象を定式化し法則という形でまとめていく学問)の始まりはだいたい2600年ほど前であると考えられるのかもしれません。

しかし、ピタゴラスはさらに考えを進めて、「諸惑星の運動は協和しているに違いない。よって、地球から諸惑星まで測った距離というのはギリシアの民族楽器ライアが与える7つの基音を生ずる弦の長さと同じ比を持つに違いないのだ。」と考えるようになったそうです。自然現象が数学との関わりを持ち、その美しさに哲学的な思考を抱くのは私もわからないではありませんが、病的になってしまう方々もいらっしゃったわけですね。

今日はここまでにしたいと思います。

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